抜けちゃった
作・はやたけるけた
私は静かな女の子
いつも本ばかり読んでいる
本が大好き
特にみんな仲良くする本が好き
でも現実ではそれは嫌いだ
人とかかわるのはいやだ
だからいつも静かに黙っている
何が起きても動じず
ギャグを言われても笑わない
いつしかそれが一つのプライドにもなっていた
そのプライドが消え去るとは思いもしなかった
ある日こんなことがあった
いつも男子は私をわらかそうと寒いギャグを言う
それはなれていて笑えないけど
そのときバナナの皮が落ちていた
男子がそれをふんで
その瞬間、学校のでもない、机のでもなく、イスのものでもない、「釘」がぬけた
その釘は私のものだ
その釘は笑いの釘
人は面白いことがあるとすぐにその釘をぬかす
すると笑ってしまうのだ
だが私は今まで笑わない、しゃべらない、が続いたからか釘の抜けた瞬間にでる
笑い、と言うエネルギーが一気に吹きだした
いつしが私は良く笑うようになっていた
あのとき、無理な笑わせではない自然なギャグだったから笑えてしまったのだろう
みんなとなかよくして、「みんな仲良くする」と言うことは本だけの世界ではなくなったのだ
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