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留希亜DIARY. 第1話
城田亜子
笹神 留希亜 (ささがみ るきあ)
小学5年生。事情があり、今は1人暮らしをしている。
何に関しても、天才な美少女。
クルミ
留希亜と一緒に暮らす黒ネコ。
杉山 萌生 (すぎやま もえぎ)
小学5年生。ちょっとドジでミステリー好きの転校生の女の子。
留希亜のことを下の名前で呼べるのは萌生だけ。
高島 元太 (たかしま げんた)
小学5年生。元気いっぱい過ぎてよく怒られる、とっても本好きな少年。
第1話
〜これが事件の始まりだった!?〜
「留希亜ぁ〜♪」
わたし、笹神 留希亜のことを、下の名前で呼ぶことができるのはただ一人。
「何。萌生??」
そう。杉山 萌生だけ。なぜか、みんなは”笹神”又は”笹神さん”と呼ぶのだ。
まぁ、そんなことはどうでもいいだろう。
わたしは昨年この町に引っ越して来たばかりだ。
いろいろと事情があって、今は1人暮らしをしている。
『どうしてぇ〜?』と聞く人が多いが、それについては言えない・・・というか言いたくない。
そして”たった1人じゃ寂しいから”と言う理由で、黒ネコを買った。それが『クルミ』だ。
それがまた、賢く、とても役に立つ。
それから、となりにいるのは、杉山 萌生。こっちは、今年の4月にこの町に引っ越して来た。
そしてお父さんの仕事の関係で、転校を5・6回もしてる。これはちょっとかわいそう・・・。
「ねぇ、留希亜ってばっ!!」
「・・・あぁ、ごめん。で、なんだったかな?」
「最近、留希亜、ぼーっとしてるよ。だいじょうぶ?」
・・ほんと、最近すぐ考え事をしてしまう。
でも、あまり心配させたくないから、いつもの様に「だいじょうぶ。」と言う。
「ほんと?1人でかかえこまずに、相談してよ!」
「うん。ありがと。で、なんだった?」
「あっ!!そうそう。今日、留希亜の家に遊びに行ってもいい?」
「いいけど、なんで急にそんなこと?」
「まっ、いいからいいから。それより早くしないと、次の授業に遅れるよ!!」
「え?!あっ、本当だ。20分休みも、あと5分しか無いね。」
・・・・・・・と、いう訳で、私たちは、次の授業の教室、音楽室に向かった。
「あっ!!!」
ダダダダダ、ドカッ!!!!
「留希亜ぁ〜!!」
萌生がわたしの名前を呼んだ。
あぁ・・・そこから先の記憶が無い。