このシリーズの他の話 [第1話] [第2話] [第3話] [第4話]

留希亜DIARY. 第4話 〜合鍵作り〜
城田亜子

「ホントだ〜!!」
私と萌生は、夕食を食べたあと、寝る準備をしてから、パソコンでいろいろな事を調べていた。
「ホントに、鳥が高い所を飛んだまま、えさを吐く事って0%に近いんだねー!!」
「うんそうだね。」と、曖昧な返事をしながら、パソコンのキーボードをカチャカチャやっていた。
「うーん…やっぱ、違うかなぁ…。」私は、メモ帳に『竜巻などは、発生していない』と書き加えた。
「ねーねー留希亜、何が違うの?」
「ん?あぁ、カエルがたまごを産む時期に竜巻とかが発生して、空に持って行かれたら雲とかで育つ事になるよね?
で、それが降ってきたんじゃないかなー?と思ったんだけどね…違ったみたい。」
「…すっごい推理じゃん!!それが違ったとしても、凄いよ!!!私、そんな事思いつかなかった…。」
「そうかな…?萌生も、ミステリー系よく読んでるでしょ。だとしたら、ちょっと頭をひねれば、これくらいの推理簡単だよ。」
まぁ、結局ハズレだったんだけどね…
「そっかぁ…がんばろっと!!」
私たちはそんな会話をしながら、眠りに落ちて行った。

―――次の日の朝―――

「萌生――も―え―ぎってば、起きてよ!」私は朝から叫んでいた。
私は、足、腕をけがしているから、萌生が起きてくれないと、学校の仕度とかができないのだ。
「も―え―ぎ――――」
「……んーもぅなに!?朝からギャーギャーうるさいなぁ…(怒)」
30回ほど叫ぶと、やっと萌生は起きてくれた。
「萌生!ちょっと手伝ってくれない?1人で起きれなくて…」
「…?あぁ、ごめん、ゴメン!!」
 萌生に手伝ってもらい、学校の支度をし終わると、ちょうど高島が来た。
「おーい。準備はいいかぁー?」「いいよー!!」と私と萌生が、家から出るとはやく学校へ行きたくてうずうずしている高島がいた。
「元太…?どうしたの、はやく学校に行きたそうな顔をしてるけど…?!」
「あぁ。知ってる?来週の日曜日に『パチンコ大会』ってのがあるんだ。」 ハァ?何それ…??
私たちが、不思議そうな顔をしていたので、高島は話をしてくれた。
パチンコ大会ってのは、まぁ、簡単に言うと、パチンコにのせたものがどれだけ高く飛ぶかを競うものだ。」
なるほど。そのまんまね…(笑)
「で、オレも、その大会に出場する事になったから、パチンコ、買えるようになったんだ!
ほら、1000円も、貰ったんだぜ!だから、今日の放課後、パチンコ屋に行くんだ♪」
えっと、この辺にあるパチンコ屋って、確か…「鍵屋の隣のパチンコ屋だよね?」
「おっ、笹神、よく分かったな!」「実は私も鍵屋に用事があるんだ。だから一緒に行ってもいい?」
「おぅ。いいぞ!!」となると…「私も行く〜!!」「よし、じゃあ放課後3人で行こうな!」 と話しているうちに、学校に到着した。

―――放課後―――

 「こんにちはー」私たち3人は声を揃えて言う。えーっと、今は、鍵屋。
「いらっしゃーい!!おぅ!元太じゃねぇーか。久しぶりだなぁ。昔は、よく『鍵なくしたぁ〜』とか言ってきていたのにな…!」
へぇ〜…高島って、鍵屋のおじさんと仲いいんだ…!
「アハハハ…まぁ、昔だからね…。って、こんな話は、いいから、笹神…この女の子の合鍵、作ってくれる?」
「あっ!これの合鍵をお願いします。」 私は、かばんのポッケから1本の鍵を差し出した。
「この鍵…。あの家……か?」 おじさんは、何か言ったようだったが、よく聞き取れなかった。
「おじさん。ちょっと、隣のパチンコ屋、言ってきてもいい?」
高島が聞くと、おじさんは、「おぅ!じゃあ、30分後に、とりにこい!」と元気よく答えた。
 私たちは、鍵屋を出て、パチンコ屋に入った。
「いらっしゃい。」中に入ると男子が数人いた。この人たちもパチンコ大会に出るのだろうか?
高島と萌生に車イスをおされて店の奥に入って行く。
「パチンコ大会の練習、スズラン公園でやろうぜ。」
「あぁ、あそこで練習してるヤツ けっこーいるらしいぜ。なんでも、のせるのにちょーどいいものがあったとか。」
男子とすれ違ったときにそんな会話が聞こえてきた。
「おっ!これ持ちやすい!これにしよっかな…。」 高島がいろいろ手にしながら呟いている。
「これは?」私は近くにあったのを手に取って聞いてみる。
「おぉ〜〜〜それ、いい!チョーいい!!」 高島は、嬉しそうにレジまでスキップで行って、ニコニコしながら戻ってきて、
「これ、何円(いくら)?」と不安そうな顔をした。
萌生が「えーっと…950円ね。」それを聞くと、またスキップでレジへ行き、今度はちゃんとお金を払ってから戻ってきた。
「オレの買い物、終わり!!次は、笹神の合鍵取りに行こう!」
時計を見ると、もう30分以上たっていた。
「こんにちはー 鍵できてますかぁ〜?」萌生がお店の奥に向かって声をかけると、おじさんが出てきて、 「おぅ!できてるぜ!…ほら。」鍵をわたしてくれる。
「ありがとうございます。」私は鍵を2本受け取ると、お金を払った。
「じゃ、またねおじさん!」「おぅ!!」
お店を出ると、私は鍵の1本をポケットにしまい、もう1本を萌生にわたした。
「一応渡しとくね。」萌生はちょっとビックリしていたけどうなずくと、
「じゃあ、キーホルダー買いに行こうよ!これにつける、オソロのやつ!」そういうと高島に別れを告げ、アクセサリー屋へと向かった。

パチンコとは…
 パチンコの画像…。
 十分にしなる、強い木の枝(Yの字になってる枝)にゴムをわたしたもの。
 小石などを革ひもに引っ掛けて、手前に引き、木の弾力で小石を飛ばす。
Copyright © 2008- Yu Noda. All rights reserved.