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ファンタスティック・マジック! F4 第一歩

中野 桜

【月間なんとか。12月号掲載作品】

―――☆―――☆―――☆―――

あらすじ

主人公、埴治 苺(はになお いちご)は不思議な事に願いがどんどん叶っていきました。
でも裏では大変なことが起きていたのです。
約束した苺。あの声とは?そしてなぜこうなってしまったのでしょうか?

―――☆―――☆―――☆―――

キーン。
耳鳴りがする。少し頭も痛い。自分の体重が感じられない…。
私は重いまぶたをゆっくり開けた。
「あ!苺!やっと起きたぁ〜(*^v^*)早く、帰るよ!」
「えっ?え…。え?っえ?」
まったくもって意味が分からない。
目が覚めて、いきなり、『帰るよ!』ねんていわれても。
「はいっ。ランドセル。もう、苺ったらイキナリ教室で寝るんだもん。おかげで、ホラ。もう6時だよ。」
いや…。『ねてる』ではなくて倒れたんだケド…。やはり天然は天然の他にはないのね。
「はいはい、ゴメンゴメン。いよ。帰ろーか。」
そう言ったときに、外からものすごい、車の音が聞こえてきた。
キキーッ。バタッ。(車のドアをしめる音)ドタッ。(転ぶ音)
母「いちごぉぉぉぉーーーーーーー!!!」
父「生きてるかぁぁぁぁーーーーー?!」
ハッ。…もしや…。この声は…。
ガラガラッ。
いきおい良くドアが開き、お母さんとお父さんが保健室に飛び込んできた。
「うるさいっっ。ここ、ドコだと思ってんの?!ったく、バカ親!静かにしろ!」
…と、桃花が私の代わりに言ってくれた。
桃花:うるさい!!
「…ハッ。あぁ。ごめんね〜。ももかちゃあ〜ん。つい、あわてちゃってぇ〜。だって、さっき先生から電話があって『苺さんが眠りにつきました。お迎えにきてください。』なんて言うから〜。慌てて来たのよ〜。なーんだ、大じょーぶじゃない。」
「うん。大じょーぶだけど、だまされないでよ。眠りにたしかについたけど、死んではいないよ。」
「ったく…。バッカじゃないの。アンタ達てさ、ダマされやすいのね。かっんたっんにサギにあうよ。」
「アハハ〜。」(母)
いや、アハハ〜。じゃないでしょ。子どもにドなられてるんだよ、怒れよ。
「それじゃ、そろそろ帰ろっか。もう暗いし。桃花ちゃんも車。乗せてってあげるよ。」(父)
「あ、そうだね。もう6時すぎたし。」

……――――――――――

「んじゃあね〜。桃花〜。バァ〜イ。」
「バイネ〜
あ〜。コワかった。桃花、うちの親にキビシいんだ…。ってか、フツー他人の親にあ んな口訊(き)くか?!
「お母さ〜ん。桃花にあんなコト言われて、ムカッてこないの?」
「えっ?あんなコトって?」
え〜〜(o□o)!!!ワカッテナイ〜!!!ア・リ・エ・ナ・イ!!!
「だっ、だから…。う〜ん。例えば『バカ親』とか、ドなられたりさ。」
「あ、あぁ〜。そんなコト言ってたわね。いいのよ〜。桃花ちゃんの言うこと、教育の勉強になってるし。」
勉強なんだ!教育って…。私のコト?ある意味困る。
「あ、ごはん作らなきゃね。今日は、『苺倒れた記念日』にして、ハンバーグよ!」
「えっ。」
いやだー!!!そんな記念日いやだー!!!
何言ってるんだろ…。この人。
あ、桃花の『バカ親』っていうの、あってるかも…。
タッ。タッ、タッ、タッ…。
階段を上がって行く…。マンガ、『ハロー!』をとって読む…。
「さ、さみしい…。」
うん、コレはさみしすぎる。部屋に、パラパラとページをめくる音が響く…。
なんてサスペンスみたいなコト、言えない!
「そうだ!桃花に電話しよ〜っと。」
下に電話を取りに行く。
「お母さん、ハンバーグ、上手く出来た?」
「う〜ん。まぁまぁ、かな。って、きゃあああああ!!!」
目の前には、高く燃え上がった火が、踊っていた。
そしてカーテンへと。
「うわぁ〜。すごいわね〜。きっと、お肉の脂に火がついちゃったのね〜。コゲてたから〜。」(燃えています)
いたって冷静だな!!ってか、あわててよ!!
「お母さん!早く消さないと!ほらっ。そこの消火器使って!」
「あ、ハイハイ。」
ブシュー。シュー、シュー。
「ヤッタ!消え…。」
ブォアアアアアアアアアアアアアアア!
一度消えたハズの火が、より力を増して燃え上がって来た。
「な、何で?!」
…。どうして…。ふと、横を見ると、玉が入ったふくろが光っていた。
「そうか!!」
玉を使って!人のため、自分のため!
「お母さん!あっちの部屋行って!!」
「え…。でも…。」
「いいから!」
わたしはナゼか他人にはバレてはいけないような気がした。ナゼ…、か。
バッ。
いそいでふくろから玉を一つ取り出し、手のひらに包み、強く願った。
(火よ、おさまれ!天よ力を!)
自然と言葉が出てくる。と、
シュワワワ…。シューーーー!!!
え…。さっきお母さんが出したハズの消火器から出したケムリがどこからともなく出 てきて、見えるようになった時には赤い火は跡形(あとかた)も無く消えていた。
「苺…?大丈夫?」
お母さんが部屋から出て来た…。
気がつくと手にあった玉は消えていた。
と、窓の外を見ると、シュッ。何か黒い影が見えた気がした。気のせいかな。
「ふう…。大丈夫だよ。それより、今日のハンバーグ、ダメになっちゃったよね!」
私は、自分の使命が分かった…。ような気がした。

― ☆ ― ☆  ―

中野 桜さんのあとがき+おなじみ優☆彡の落書きあとがき

苺の始めての試練。どうでしたか?『火よ、おさまれ!天よ、力を!』なんて少しくだらなかったかな…。皆さんがどう思っていただけたか心配です。
くだらなくないと思うよ☆今回はいつもより頼もしいボリュームで打ち込みむずかった…。
ぜひ、『ミルキーウェイ』にてコメントをよろしくお願いします。
ご気軽にどうぞ☆
さて、今回苺が戦ったことだけでなく、桃花のウラの性格まで少し見えてきましたね…。
怖いよ、怖いよ。桃花さん…。
スゴかったですよね…。桃花も、優の締め切り宣言も…。「締め切り、15日ね。じゃあ、がんばって。ウフフフ…。」
そ、そんなんじゃないよぉ(o□o)
でしたから。恐ろしかったです。話は変わり、この後、苺にどんな試練が待っているのか…。
影とは何者?!続・ファンタスティック・マジック!(F5かな)をよろしくお願いします!!!
次回も締め切り厳守でね☆今回くらいの量だといいな☆

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