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ファンタスティック・マジック! F6 天からの呪文
中野桜
実際にはファンタスティック・マジック!F5.75という位置づけになります。
あらかじめ F5.0 F5.5 をご覧下さい。面白さが倍増…というより話分かりません。あしからず。
— ☆ — ☆ —
「では。」
ひそかに戦いが始まった。
猫の姿はさっきまでの穏やかな感じとはまったく違い、
目は引きつり、体も一回り大きくまだ小学生の苺の目には人食いの妖怪のようだった。
体長は2mほどだろうか。
私は横結びで元気系、という髪をほどき、ポニーテールに結び直した。
ガサ…ガサ……
だんだん猫は『相手』に近づいて行った。
猫が今にでも私に触れるくらいの距離になった時。
「ためしてやろう。」
と、言った瞬間、猫の手がみえないほどのスピードで顔面に迫ってきた。
サッ。私は後ろにジャンプした…。と、苺は目を丸くした。
軽くジャンプしたはずが、自分の体は木の高さまで飛び、十数メートル後ろに下がっていたのだから。
体には当然ながらかすり傷一つなかった。
「ほう。なかなか。だが、まだ体に慣れていないようで。早めに終わらしてしまった方が良さそうですね。
勝負は運ですし。それに桃花さんも。あと40分といった所でしょうかね。」
「…くっ。」
体が慣れていない。そんな事は分かっている。
「本気でもよろしい?」
「こちらこそ。」
こっちは一人…いや、二人命がかかっているんだ。本気でなければ意味がない。
と、その時、目の前に猫の手が見えた。
とっさによける。
自覚はしているが、今の自分の体質は普通じゃない。
0.1以下見抜けて当然だろう。っと、
…よけたと思ったしかし私の頬には一筋の赤い血がつーっと流れて行った。
そんな事を思っていれば、次から次へと爪が飛んできた。
気付くと、私の服はボロボロになり、体からは傷がたえなかった。
…。攻撃が出来ない。目もかすんできた。
「フン。こんなものか!!この世界には、俺より強いやつらがわんさかいるぞ!!」
—負ける。このままでは確実に。
桃花…。
ハッ。あきらめるのではない!!時間はまだ、ある!!
…私は、全力で地面を蹴り、天高くジャンプした。猫の気が緩んだ。一瞬、攻撃が止まった。
私は空中で意を決した。すると、自然と言葉が口からあふれてきた。
「天高きもの、舞い降りるべし。悪しむ(あやしむ)者、帰するべし。天、神、水、土、光、命。我に力貸すべし。」
すると、ポケットの中の玉が光を発しながら空中で多角形をつくり、線で結ばれ、猫を取り囲んだ。
「うおおおおおおおお……!!」
とたんに猫はうめいた。
頭を抱え、うずくまった。うめきながら猫はだんだん薄れて行った。
「俺は、人間の心により生み出された!!罪な…どないはず!!恨むなら人間だ!!人間の悪心を罰…せ…!!」
消えた。完全に。
…、人間の悪心…?原因は人間の悪心にあるというの?
…わからない。今はまだ。終わったのかどうかも。
—私は地面に降りた。空はもう、薄明るく光り始めている。…桃花、桃花は。
私は桃花のもとへ駆け寄った。
かろうじてまだ体温はある。死んではいないようだ。
「桃花、もーもーか!!起きて!!ねぇ、おきてよ!!」
すると桃花はゆっくりと目を開けた。
「いち…ご?いちごぉ!!」
「よかったぁ〜もう。」
「あれ、私、お告げを…。」
あっ、どうしよう。本当のことを言う訳にも行かないし。よし、デマだ!!
「な…何言ってんの、桃花。私たちここにきて一休みしたら桃花ったら寝ちゃうんだもん。」
あれ…?そうだっけ?ま、いいや。あっもう朝が来る!!かえろっ♪」
よっかった。どうにかだませた様だ。さすが桃花サン…。ちょろい。
「うん。帰ろーか。」
私たちはまた帰り道へと一歩を踏み出した。
F6 END.
わくわくF6のっ☆あとがき(期待の赤字コメント付き)
中野桜
終わりました、F6!!著者自身、こんなに手応えのある章を書くのは初めてです!!
いや〜終わったねぇ〜長かったね。うん。←ちょっと嫌味効かしてみました
おどろきました。そして、よりムズかしかったです。
特にあの戦いの様子!!実は苺の技も特に考えておらず、呪文、としか考えておりませんでした。
今回も(?!)凄かったね〜!!F5&6…!!
なんので、どうやって苺が勝つのかは、とぉっっっっても迷いました!!
今、夜中の1時なのですが、ずっと夜、ファンタスティック・マジック書いてました!!
何となくそう言う気分になりまして…。
さて、今後の事件は?「人間のせい」とはどういう事か?
それは…。
実はまだあんまし考えていません!!><;
気になる気になる気になる気になる…!!
とりあえず、早めに書きたいなぁ〜、とは思っています!!
みなさん、がんばりますのでこれからもヨロシクお願いします!!
感想は、ミルキーウェイ☆彡へ☆ではっ♦♦♦♦♦★★★★
ぐっちゃぐちゃやないか〜い(ルネッサ〜ンス パート2♪)筆ペンで書いたようです
ふぅ…やっと終わった…と思ったその瞬間。
私の手元に一枚のメモがひらりひらり…と。
千代「なんだろ…これ…」
優「あっ、それ!!だめ!!みちゃだめ!!んであとがきの最後に載せるとかダメ!!」
千代「えっ??読むよ…どれどれ」
<おまけ>
優へ
次は一応「F7」という事にしておきます!!
今回がF5.5だとちょっと紛らわしいんで…。そこんとこ、調節お願いします!!
で、次の章なんだけど、優が前にF7の提案してくれてたみたいなんで、それ使わしてもらいます!!
「×××××(まだ公開しないよ☆)」という事らしいので…。ヨロ!!
あと、今回『黒い影が出てこなくて』ゴメン…。区切りが良かったんだ☆
by さくら
千代「だって。って、えええええ!!!!!」
優「な、何いきなり!!」
千代「あいつが黒い影の正体じゃなかったんだ…。がっくし…」
優「だってそれだったら、もうファンタスティック・マジック!続かないじゃん。」
千代「だってもうこれでファンタスティック・マジック!終わりだと……いてててててて!!!!何すんの!!もぉぉぉ…。」
優「さくらに謝った方が良いと思うよ。こわいけど。」
おしまい。
第1刷 2009 9/13 (打ち込みは15日)